今から30年前の1991年、サイバーフォーミュラというアニメがありました。
私は見たことなかったのですが、近未来を舞台としたF1を超えるマシーンによるカーレースを舞台としたアニメが放送されました。
かなりリアルに描いたことから子供にはなかなか難しかったのか、残念ながら打ち切りになったとのこと。
しかしそのリアルなレースの描写(できるだけ子供にも楽しんでもらえるような要素も盛り込みつつ)は大人の自動車ファンに受け入れられ、その後よりリアルなカーレースを描いたOVAシリーズがいくつも製作され大人気となりました。
つい先日このプラモデルが再販売されたことをきっかけに、私もプラモデルを作ることでサイバーフォーミュラの世界を楽しみたい!と思いました。
そのためまずはアニメを全シリーズ視聴してテンションを上げ、いよいよプラモデル製作に入りました。
しかし事前に調べると、製作難易度はかなり高いとのこと。
ドアが開いたり各パーツが取り外せたり、一部差し替えで別の走行モードを再現できたり、ギミックを搭載したことや、塗り分けを考慮したパーツ分割などさまざまな要因が災いして、組み立てたあとにパーツがうまく合わないことがよくあるとのこと・・・。
さて、うまく組み立てられるのでしょうか。
キットレビュー
箱が分厚い!!
一般的なカーモデルとしてはかなり厚みがあり、ちょっとしたガンプラのようなレベルです。
このキットはアオシマとサイバーフォーミュラスタッフが協力し、アニメをそのまま再現したのではなく実際のクルマの要素も取り入れて設計しているそうです。
アニメでは実際の寸法よりもさらに迫力が出るように描いたり、TVアニメとして作画に負担がないようにある程度省略して描かれています。
しかしそのままプラモデルにしてしまうと、他のカーモデルと並べたときにあまりにオモチャらしさが出てしまいます。
そこでアオシマは、他のカーモデルと並べても遜色のないレーシングカーとして、スタッフと協力してリファインしたそうです。
説明書はなんと16ページ!
カーモデルとしては異常なページ数です。
これは従来のカーモデルよりもできるだけ親切にしたというのもありますが、やはりパーツ点数が非常に多いというのが大きいでしょう。
そして親切なことにカラーの印刷物が2枚もあります!
1枚は塗り分けの指示書、もう1枚はデカールの説明書です。
これまではモノクロで描かれていたものが、カラーイラストやカラー写真で説明されているので非常にわかりやすいですね!
カラー印刷はコストがかかるだけになかなか採用されませんから、とても嬉しいポイントです。
実際のカーモデルの要素を取り込んだところの一つがホイールです。
アニメでは空力を意識したホイールキャップが取り付けられていますが、これはアニメでホイールを描くのが大変という理由もあります。
このキットでは6本スポークのホイールに、アニメを再現したホイールキャップを取り付けるか取り付けないか選択することができるのがうれしい配慮です。
完成後に感じた、難易度について
色分け
パーツは可能な限り色分けされていることに驚きました。
シャーシ関係はニュートラルグレーかやや濃い目で成形されていて、そのまま組んでつや消しトップコートでフィニッシュしてもいいかな?と思いました。
説明書ではサスアームやエンジンなどGX201メタルブラックで塗り分け指示がありますが、エンジンなどは丸ごとガンメタ系のスプレー完で塗装しちゃってもいいかな?と思います。
それほど大変な塗りわけではありませんし、サスアームはボディをかぶせてしまえば見えないので、ボディを外さないのであれば塗りわけは必要ありません。
エンジンはむき出しなのでここだけ塗装してあげるとカッコいいでしょうね。
ボディ表面に出るパーツはかなりツヤッツヤで成形されていることにも驚きました!
アオシマは無塗装組み立てを前提として設計していそうです。
一部のボディカラーは塗り分けが必要ですが、なんと塗り分け部分にはデカールが付属します!
もちろんデカールだと微妙に隙間ができたりする部分もありそうですが、水性ホビーカラーなどでタッチアップして、つや消しトップコートすれば目立たなさそうです。
クリアパーツ類は削るなどの調整ナシでぴったし取り付けできました!
レッド・オレンジ・イエローなど塗装が必要ですが、レンズ裏側から筆塗りしちゃえばいいと思います。
デカールの品質
デカールはカルトグラフ製の次に薄く、破れやすく、張り込みが難しいかな?という気がしました。
Mr.マークセッターですらあっというまにシワが寄るので、綿棒で伸ばすタイミングがけっこうシビアだと思います。
ほとんど平面にしか貼らないのでまだマシですが・・・。
とはいえマークセッターを使わないとトップコートを吹いたときに風で剥がれることもあるので、マークセッターは必須です。
マークセッターを塗ったら早めに、かつやさしく伸ばしていくのが良いのかな~と思いました。
初心者向けにもうちょい厚いデカールで良かったような気もしますが・・・。
パーツ精度
パーツ精度はほとんどの部分で非常に高く、バリやゲート跡が残っているとハマらない場合もあるほど。
きちんと処理していけばほとんどのパーツは立体パズルのようにキュッっとハマっていきます。
しかし、一部のパーツでは1mmくらい削らないとパーツが合わない部分もあったりしました。
そのため、キッチリ仮組みしてパーツの合いを確認しておかないと、最後にドアが閉まらない、屋根がハマらないなどのトラブルに合います。
特にフロントカウルとリアカウルASSYは最後に取り付けることもあり、シャーシ・ドア・ルーフと全ての箇所とチリを合わせるのに非常に苦労しました。
というか最初のチリ合わせが甘くて、塗装後の最終組み立てでさらに削ったり追加工してなんとかチリを合わせることになりました。
パーツは色分けを追求した結果かなり小さいパーツも多く、接着面積が少ない部分もあります。
そのため一般的なプラモデル用接着剤のほか、瞬間接着剤、クリアパーツ用接着剤、2液性エポキシ接着剤など、さまざまな接着剤を使用しました。
明らかにプラモデル用接着剤だけでは強度が足りずポロポロ外れそうな部分も多いので、接着剤の使い分けがポイントだと思います。
総評
難易度は・・・高い!😂
前述のとおり数種類の特性の接着剤を駆使して組み立てる必要があります。
そのため、カーモデルをいくつか経験する必要があります。
キッチリ仮組みしないと最終的に各パーツのツジツマが合わなくなってチリが合わなくなるのも難易度が高い要素です。
一般的なカーモデルはボディを被せるだけなので、簡単なんですけどね。
ボディはつやっつやで成形されていて、色分けデカールまで付属しているので、塗装しなくてもかなり見栄えするのは良いポイントです。
ただその付属デカールはやや破れやすく、難易度が高めのデカールです。
カーモデルではつやありトップコートを磨き込むのが一般的ですが、キャラクターモデルということであえてつや消しトップコートで仕上げればツヤも整うのでより良いでしょう。
仮組み!
まずはおなじみシャーシからの組み立てです。
基本的には接着せずマスキングテープで固定していきますが、マスキングテープを貼り付ける場所は気をつける必要があります。
以外な場所がダボの役割をして別パーツが接合されるので、変なところに貼ると次のパーツがハマらなくて浮いてしまう原因になります。
ここは塗り分け指示がありますが、1のハブとブレーキだけ接着してしまいました。
ここはマスキングテープでは非常に難しいので、思い切って接着しちゃいました。
ドアは開閉式なので、内装はバスタブではありません。
シート背面もかなり作り込まれているのがスゴイですね。
ひとつひとつ、わずかなバリを取ってゲート跡も処理しつつ組んでいきます。
サイドラジエーターなども不安なので仮固定です。
リアインナーフェンダーも仮組みしていますが、ここはリアカウルが乗る場所なのでより位置決めが重要です。
にもかかわらずけっこうガタがあり、ここで変な角度で接着してしまうと最後の最後でアウト!
このインナーフェンダーはリアカウルが完成したときに、リアカウルを組んだ状態で接着したほうが良いところです。
こうやって、仮組みしながらどのパーツがどのパーツと接して、どのタイミングで接着して固定するのが良いか考えながら作業を進めていきます。
リアディフューザーはこの説明書だけだとどうやって固定するのかさっぱりわからず、この次のコマで取り付けるマフラーエンドの穴に差し込むことがわかります(が、理解するのにかなり時間を要した)
ここまではやたら高精度だったのに、ここだけ穴がガバガバのユルユルで、どうやって固定するのかさっぱりわかりませんw
実は、この上に取り付けるリアカウルASSYのダボと、ディフューザーのダボが噛み合って位置が決まる仕様になっています。
そんなんわかるかーい!
ということで、ここはリアカウルが完成して位置決めも終わったあと、ようやく位置が決まります。
リアカウルを外さないように仕上げるならリアカウルといっしょに接着すれば良いですが、私はリアカウルを着脱式にする予定なのでここの固定方法に悩みました。
ここについては後述します。
アスラーダGSXのドアはシザースドアになっているので、こんな面白い針金が付属します。
・・・が!
この針金も寸法が微妙でドアがキッチリ閉まらないことが完成直前にわかりました。
おかげで塗装後にまた分解して追加工するハメになりました・・・。
ドア開閉は本当に難しい・・・。
仮組み完成
説明書と同じ状態まで来ました!
設計的には、完成後もカウルを外して内部を楽しめる構造にしてあるんだと思います。
しかし、この段階ではどうしてもフロントもリアもカウルが完全にハマらず・・・。
マスキングテープの厚みが悪さしていることに気づくのに時間がかかりました。
エンジンも仮組みしました。
エンジンはエンジン本体、ブースト時の中間パーツ、インテークユニットの3つのブロックに分かれて差し替えができるようになっています。
インテークは目立つパーツなのに、ここだけ合わせ目ができるのが難点ですね。
パーツ精度は高いので、プラモデル用接着剤をつけて普通に合わせ目消しすれば消えるのでまだマシですが。
とりあえず、仮組みしたのでデジイチで撮影!
300mm相当の望遠レンズで撮影したら、アニメやパッケージイラストのようなカッコいいたたずまいになりました。
う~ん、カッコいい。
無塗装状態でこのレベルですから、テンション上がりました!
やはり無塗装+デカールで仕上げても十分カッコいいのでは?と思いますね。
バチピタのように見えますが、よく見るとフロントカウルが浮いてたり・・・。
また実はマスキングテープの厚みで全体が浮いているので、最終的に接着したらチリが合わない部分がまた出てきて、追加工したりしました。
入念に仮組みしたつもりでしたが、最後まで気の抜けないキットでしたね。
【2/3 組み立て・加工・完成編】続く!