今回はアオシマのウマ娘の痛車を製作しました!
いつかは痛車のプラモデルを作ってみたいと思っていましたが、新作が発売されたので挑戦してみることにしました。
痛車の一番むずかしいポイントはボディを覆い尽くす大判デカールです。
果たして上手く貼れるのか・・・。
キットレビュー
内容物
パッケージ写真は見事な完成度。
果たしてこんなにうまく作ることができるのか・・・。
ベースになっているのは2016年型の、いわゆる後期型86です。
ホイールも含めてほぼノーマル仕様のため、ちょっとさみしい感じがします。
エアロとか社外ホイールがあるともっとカッコよくなりそう。
このキットの目玉のひとつが、水転写デカールのほかにシールが付属しているところです。
このサイズの転写デカールを貼るのはかなりの難易度ですから、シールなら初心者にも安心です。
・・・が、ボディサイドの複雑な曲面にどうやってこの平面のシールを貼るのか、想像ができません🤔
間違いなくシワができてしまいますが、それでも水転写デカールがビリビリに破けるよりは良いでしょう!
ちなみにオマケとしてボディ形状に切り抜かれていないシールが付属しているので、好きなところに貼ってディスプレイできるのは非常にうれしいポイントです。
ボディ色は白で整形されていて、ボディは無塗装で製作することも可能です。
思ったよりパーティングラインやバリも少ないため、気になるところをちょこっと削るくらいでも十分です。
シャーシもほとんどは黒で整形されているので、ほとんど塗らなくても良いでしょう。
ただし、フロントグリルなど一部のパーツが白やメッキ(なぜだ)で整形されているため、部分塗装は必要です。
とは言え一番難易度の高いボディ全体は白で整形されているのはうれしい配慮だと思います。
ざっくりとパーツを並べてみました。
このキットは2012年に発売された初代86をベースに、追加ランナーで2016年仕様に対応するように発売されたキットです。
そのため2016年仕様のパーツは成形色がちぐはぐになってしまっているところがちょっと残念です。
またこのように基本的な金型を共通に、各年式やエアロ仕様などを発売するためにパーツ分割が非常に多く、製作難易度がやや高くなっています。
しかしパーツの精度は過去のカーモデルの中では比較的高い方で、微調整だけでそれなりにパーツが噛み合うようになっています。
塗装したりデカールを貼る際にパーツがバラバラだと作業しにくいので、私はトランク以外を先に接着してしまうことにしました。
この場合ヘッドライト・テールライトのインナーハウジングは先に接着しなければならないため、マスキングしてボディを塗装することにします。
説明書とは違う手順となりますが、こういうふうに自分のやりやすい手順を考えて工夫するのがカーモデルの醍醐味ですね!
シール・デカール類。
特筆すべきは窓枠マスキングシールで、かなり精度が高くきっちり塗り分けができました!
今まで窓枠マスキングシールはあまり信用していなかったので、ちょっとうれしいw
初心者も作れるか?
写真は仮組みした状態です。
このキット、初心者でも作れるでしょうか・・・?
その答えは、どの程度のクオリティにするかで変わります。
- ボディは無塗装で可能
- フロントグリルなど一部パーツは部分塗装が必要
- 水転写デカールではなくシールを使用(シワは我慢する)
- ガンプラと比較すると高難易度だが、パーツの精度はわりと高いので頑張れば組める!
というように、パッケージの写真のようにプロ並みのクオリティで仕上げるのは難しいですが、いくつかのポイントを妥協すれば昔のカーモデルと比較するとかなり作りやすくなっています。
なにしろ20年前くらいの設計だと説明書どおりに作っても完成しないものも多いのでw
10年前の設計の本キットではかなり作りやすく改善されていると感じます。
ちなみにこの時期のアオシマはボディ無塗装・ライト類無塗装でも完成できることを意識しているようです。
実際このキットではライト類はいっさい塗装が不要でした。
ただし、美しく仕上げようとするとかなりの高難易度キットに化けます。
というのも別パーツが多すぎて、パーツのチリ合わせが難しすぎるんです。
ぱっと見だけなら気になりませんが、キッチリとチリ合わせをしないと研ぎ出しができないんですよね。
仮組み
仮組み


キャンバーと車高を選択できる!!!
これは非常にうれしいポイントです。
接着しないといけないので組み立て後に動かすことはできませんが、製作時に無改造でこれができるのは非常にうれしいですね。
キャンバーと車高の具合はあまり過激ではない自然な程度だと思います。
鬼キャンにしたい人はもうちょい改造が必要ですね。
ランナー番号がめちゃくちゃに割り当てられているので、慣れないうちはすげ~~~探しにくいw
昔のアオシマからまったく変わっていないw
しかし実はシャーシ系・内装系・外装系とランナーごとにパーツが分けられているので、慣れてくると思ったよりわかりやすかったです。
ガンプラに慣れているとちょっと戸惑いますね。
仮組み、完成
ひとまずボディを仮組みしてみました。
まだマスキングテープで貼っただけですが、前後バンパー・ボンネットが別パーツとは思えないフィッティングです!
内装がまったく付いてないので光が透けていますが、内装を組み立てれば透けも気にならなくなるでしょう。
10年前のキットなのによくできているなあと感心します。
カーモデルでは可能な限りのパーツを、接着せずにひととおり組み合わせて確認する仮組みが重要です。
どういう順番で接着していくのが良いのか確認するのも大事です。
とは言え、最後の最後になって「え、ここが干渉するのか!?」って気づくこともしばしば・・・。
ホイールを変更「SSR エグゼキューターCV01 19インチ」
ホイールはアオシマのこちらをチョイスしました。
引っ張りテーパータイヤ付きなので、ドレスアップ車にちょうどいいですね。
サイズ比較
●純正ホイール 17インチ
- ホイール 直径21mm 幅10.5mm
- タイヤ 直径28mm 幅11mm
●SSR エグゼキューターCV01 19インチ
- ホイール 直径22.5mm 幅12.5mm
- タイヤ 直径26mm 幅12.5mm
ちなみに18インチのワーク エモーションCR極も買いましたが、ホイールの直径は21mmと86付属の17インチと同じでした。
プラモデル用のタイヤなので、1インチ刻みでホイールサイズを変えることができないんでしょうが、それにしてもややこしい。
タイヤの直径がキット付属品より小さくなりますが、これによってさらにローダウンできるようになります。
ただ、厚みのある引っ張りタイヤが良いという人もいるでしょうから、タイヤの選択肢がもっと増えるとうれしいんですが・・・タイヤの金型をこれ以上増やすのは難しいんでしょうね。
というかタイヤだけ売って欲しい・・・😭
かっけ~~~!
走りよりもドレスアップを意識したカスタムとしては、このくらいがちょうどいいですね。
ラグジュアリーを意識するならこのメッキでもいいですが、ちょっとギラギラすぎるので私は再塗装したいと思います。
なおフロント側はそのままでツライチでしたが、リアは1~2mmほど出すぎてしまったので、車体のハブ側を少し削ってツライチになるよう調整しました。
改造
ドアミラー


ドアミラーはちょん付けする方式ですが、完成後に絶対にポロリするので金属線を軸打ちしました。
ボンネットチリ合わせ


前後バンパーはわずかに削るくらいでほぼピッタリ接着できましたが、ボンネットのチリ合わせがちょっと難しかったです。
全体的にボンネットが0.5mmほど低く、スペーサーを挟んで嵩上げして接着しました。
なお説明書では別々に塗装して、最後に取り付けるように指定されていますが、そうすると完成後にどうしてもパーツが浮いて見えるのが気になってしまいます。
そのため、私は事前に接着してしまうことにしました。
もともとこのキットはエンジン付きモデルのバージョンもあり、そのためにボンネットが開閉できるようになっていました。
ウマ娘バージョンにはエンジンが付属しないので、ボンネットは接着してしまって問題ありません。
説明書ではワイパーが付くカウルトップを先に接着するよう指定されていますが、カウルトップはスキマから後ハメできるので、ボンネットを接着しても大丈夫です。
ただし写真ようにヘッドライトインナーハウジングは接着しないといけないので、塗装時にはマスキングするか、塗装後にインナーハウジングだけ黒く塗る必要があります。
ボンネット裏側から補強材を接着し、研ぎ出し時にボンネットがたわまないように対処します。
同じく、前後バンパーも研ぎ出し時に外れたりしないように瞬着硬化パテなどでガッチリ補強しておきましょう。
トランク
トランク周りは複雑な形状なので、研ぎ出ししやすいように別パーツで塗装することにしました。
ボンネットと違って面積が少ないのでチリが合わないところはあまり気にならないでしょう。
ちなみにリアバンパーとリアフェンダーのチリが微妙に合っていませんが、このくらいならヤスリで慣らせば問題ないレベルにできます。
フロントスポイラー製作
プラ板をベースに、エポキシパテを盛ってフロントスポイラーを自作してみました。
やっぱりドレスアップカーはエアロがあったほうがカッコいいですよね。
別パーツ化するために、バンパー側にリップクリームを塗って、エポキシパテを押し付けてカタチを作ります。
リップクリームを塗っておけばあとから外せます。
成形して、だいたい完成しました。
迫力が出ましたね!
サイドスカート製作
サイドスカートはプラ板のみで製作しました。
後ハメできるように、ボディ下部に軸打ちして差し込めるようにしてあります。
リアサス補強
リアサスの構造がかなり貧弱なので、金属線で補強しました。
仮組みやタイヤのアライメント調整などでなんどもホイールを付け外しするので、足回りは補強しておきたいところです。
なおフロント側はキットのまままったく改造しなくて大丈夫でした。
ディスプレイケースとネジ止め
足回りの微調整をしてシャーシを完成させたあとになりますが、ディスプレイケースと接続できるようにします。
シャーシ側にナットを埋めて、ネジ止めできるようにしました。
塗装
ボディ
スジボリをしっかり彫り込み、ボディ全体にヤスリがけをしてチリをあわせました。
ひとまずグレーサフを塗装してキズや凹みのチェック。
特に大きな問題はないみたいなので、グレーサフをほとんど削り落とすつもりで2000番でヤスリがけ。
この時、ボディ同色になるパーツも同時に塗っておきます。
あまりに小さすぎるので、金属線を瞬間接着剤でちょん付けして持ち手にします。
ちなみに今回はキット指定と違い、ドアノブやフロントフェンダーガーニッシュなどをつや消し黒で塗装することにしました。
グレーサフを2000番で削り落として・・・(できれば4000番もかけたほうが良いかも)
つや有り黒を塗装して・・・
シルバーを塗装しました。
このあとホワイト(今回はクレオスGGXホワイトを使用)を塗装し、さらにクリアーを軽く塗装して、3日~1週間くらい塗料を硬化させます。
その後、デカールの工程へ進みます。
内装
内装はばば~っと塗装し、組み立て。
このキットではシャーシとシートでバスタブを挟み込むように接着する、ちょっと変わった構造な気がします。
リアウインドウがスモーク塗装なので、室内はほとんど見えないんですけどね・・・w
ウインドウ塗装


ウインドウ類を塗装しました。
付属のマスキングシールが非常に精度が高いのがうれしいですね。
このキットでは窓枠がガラス側にモールドされているため、表面も黒で部分塗装します。
つまり、ボディ側の窓枠塗装をしなくて良い!!!
現代のクルマなので、リアウインドウは内側からモーク塗装しておきます。
ホイール再塗装
メッキがキンキラキンすぎて今回の製作イメージとは違うので、メッキを剥離して再塗装します。
キッチンハイターでメッキを剥離しました。
メッキ調塗装で、渋めのクロームメッキ風に再塗装しました。
デカール
デカール貼り
さて、ボディの塗装から数日経過したので、いよいよデカールを貼っていきます。
こんなに大きなデカールを貼れるんだろうか・・・。
まずは比較的カンタンな屋根・ボンネットを貼り込みます。
そしていよいよボディサイド・・・こんなに大きなデカールははじめてです。
いや、このくらいのデカールを貼ったこともありますが、そのときは平たい戦闘機だったのでまだマシだったんですよね。
今回は膨らんだリアフェンダーが非常に難しそうです。
な、なんとか貼れた・・・!
使用した道具
今回使用したのはこの2点。
上手い人はドライヤーも有効活用するみたいですが、難しそう・・・。
やはりリアフェンダーまわりが非常に複雑で難しく、わずかに破れたりシワが残ったところもありました。
シワについてはクリア塗装を極厚にすることでほぼ見えなくなりました。
しかしわずかに破れてしまった部分はどうしようもありませんでした。
よーく見ないとわからないのでまだ良いですが😅
また、百均で買った大きめの平筆も役立ちました。
デカールと言えば綿棒で転がすようにとよく言われますが、平筆でやさしく撫でることで水分を押し出したり、逆にたっぷり水を付けた平筆でデカールを動かしやすいようにしたり、なにかと役立ちます。
パーツの端などでデカールを折り込む箇所についてはあらかじめもっと滑らかな表面にしておいたほうが良いとわかりました。
パーツの裏側などに折り込んだデカールが浮いて来やすくなってしまいます。
クリア塗装・研ぎ出し
クリア塗装
デカールを貼ったら、ここでも3日~1週間は自然乾燥(デカールは乾燥機はNG)させます。
そしたらクリア塗装!するのですが、写真のとおりかなりザラザラになってしまいました。
クリア塗装は
- 塗料1:薄め液3くらいのシャバシャバめを超うす~~~く5回くらい重ねる
- 塗料1:薄め液1くらいの濃いのをガッツリ5回くらい重ねる
- 塗料1:薄め液3で濡れるように塗る
というような感じが良いのかなあ・・・と。
最初にシャバシャバで超うす~~~く塗るのは、デカールの上にうっすらと塗料の膜を作るためです。
ラッカー塗料だとデカールが溶けてしまうので、塗料の膜を作っておけば大丈夫というわけです。
今回は1:1をビビりながら吹いたのでかなりザラついてしまいました。
1:1のような濃い状態でビビって吹くとザラつきやすいですよね。
まあどっちにしろ研ぐので致命的ではないです!
研ぎ出し
乾燥機でまる1日硬化させたので、ひとまず研ぎました。
あまりのザラつきなので、ラプロス2400番でザクザク削って全体がマットになるようにしました。
また、このときデカールの段差も削り落とします。
ライトに照らしてみて、光っている部分が残っていたらそこはまだ凹凸が残っている証拠です。
ただラプロス2400番は削れすぎるので、カドを削らないように注意です。
ラプロスは布ヤスリのような感じなので使いやすいです。
力を入れるとデカールを剥がしてしまったり、塗装を剥がしてしまったりするので、撫でるような程度で水研ぎします。
2回目のクリア塗装
ひととおり削り込んだら、もう一度クリア塗装します。
2回目のクリア塗装では塗料1:薄め液3のシャバシャバで最初から最後まで吹きます。
一度クリア層を作ってあるので、デカールが溶ける心配は少ないでしょう。
今回も最初はふわ~~~っと軽く吹いて、だんだんと濡れたようになるまで5回くらい塗り重ねました。
最後の研ぎ出しまでは、3日~1週間置きます。
このときは乾燥機を使用しても大丈夫です。
研ぎ出し
2回目のクリア塗装後、3日~1週間後にいよいよ最後の研ぎ出しです。
ラプロス6000・8000で表面がつや消しになるように磨きます。
表面の粗さによってはラプロス4000からスタートしたほうが良い場合も。
その後、タミヤコンパウンド3種、ハセガワのセラミックコンパウンドで仕上げ磨きをして、終了!
最終組み立て
今回のキットは、ボディの磨きが終わればすぐに最終組み立てとなります。
一般的なカーモデルだとボディを磨いたあとに窓枠の塗装がありますが、今回は窓のほうに窓枠がモールドされているためその必要がありません。
組立時には、瞬間接着剤・セメダイン模型用ハイグレード・UVレジン・スチロール樹脂用接着剤など、適材適所で接着していきます。
これがなかなか難しい・・・。
せっかく仕上げたボディにうっかり接着剤が付着したら全てが終わりです。
最新の注意を払って作業していきたいところです。


今回のキットでは、クリアパーツの塗装は不要でした。
クリアレンズの多い現代のクルマならではですが、クリアレッドの成形色がなにげにうれしいポイントです。
これ塗るのかなり大変なんですよねえ。
ボディの塗装中に、どうやらボディが広がってしまってシャーシとスキマができてしまいました。
そのためボディとシャーシを瞬間接着剤で接着!
ひとまずマスキングテープで抑えておきます。
なおマスキングテープは裏を張り合わせて二重にしてあり、ボディ表面にくっつかないようにしています。
そうしないとマスキングテープを剥がすときにデカールやクリアが剥がれる場合があるからです。
完成!
動画!
写真!
完成!
製作期間は3週間ほどでした。
初めての大判デカールということで、細かなミスはあったもののなんとか完成させることができました。
一番肝心なウマ娘の顔がキレイに貼れて良かったです。
焦点距離200mm相当で撮影。
F22まで絞るとさすがにちょっとピンが甘くなりますね・・・。
しかしこれ以上開けるとボケすぎてしまいますし、ミニチュア撮影の難しいところです。
ホイールアライメントもバッチリ!
自作のフロントとサイドスポイラーもいい感じにできました。
各パネルのチリ合わせも上手く行きました。
よ~~~く見るとミスはあるものの、ウマ娘の顔がしっかり見えるように貼れました。
ホイールはメッキを再塗装したおかげで渋く煌めくホイールにできました。
美しく仕上げようと思うと、本当に難しいキットでした。
しかし挑戦できてとても楽しかったですね!
ボディが白で成形されていたりシールも付属されているので、カーモデルに慣れていない人も挑戦できるのが良い試みだと思います!