このキットを待ってた!
K11マーチの前期型が最初の愛車でして、そのときはお金がなくてできなかったNISMOフルエアロ+NISMOオーバーフェンダーをプラモデルで再現したいなあと思っていました。
そして夢に見ていたカルソニックスカイラインのレプリカ化も、実車では難しくてもプラモデルならできちゃうぞ!
むか~しプラモデルでやろうとしたことはあったんですが、技術力のなさに挫折したことがあります。
今ならできるかも!ということでチャレンジしてみました。
キットレビュー
内容物
パーツ数はカーモデルの標準的な感じで、ほどほどに各部が再現されているようです。
世の中にはドア開閉やエンジン再現などのプラモデルもありますが、作るのが大変すぎるのが難点ですよね。
さて、どうやらボディ本体は新規金型という噂です。
新規金型というのはあくまでも噂ですが、実際作業しててパーティングラインがほとんどないことや、モールドが最初からバリくっきりしていることに驚きました。
ホイールは2種付属します。
純正と、メッキされたNISMOホイールです。
ホイールが2種付属するプラモデルは多いですが、なぜかパッケージにはそれが書かれていません。
こんなちょっとしたことでもアピールポイントになるんだから、もっと宣伝すれば良いと思うのですが・・・。
NISMO関連のパーツも付属しています。
このあたりは古い金型のままだそうです。
前期型のヘッドライト関連のクリアパーツは新規金型ということで、モールドもくっきりしていました。
デカールも付属しています。
ナンバープレートにNISMOを選べたり、MICRAを選べるのが嬉しいですね。
仮組み
このキットはボディ・グリル・バンパー・NISMOスポイラーが別パーツになっています。
このフィッティングが非常に悪く、難易度を大幅に上げています・・・。
特にフロントグリルの精度が悪く、ヘッドライトの隙間などまったく合っていませんし、バンパーのフィッティングを邪魔しています。
フロントスポイラーの接着位置はダボなどがないので、慎重に位置合わせして接着しなければなりません。
フロントバンパーとボディのフェンダーのチリもまったく合っておらず、どう手直ししたものか頭を抱えますw
リアバンパー・リアアンダースポイラーも別パーツですが、やはりフィッティングは悪いです。
特にリアアンダースポイラーはどう合わせてもチリが合わず、隙間も空いてしまいます。
私はフェンダーのラインで合わせてみましたが、そうするとマフラー出口が狭くなってしまいました。
ここはあとから削って広げれば良いかなと。
内装のバスタブを組むと、後部が収まってないwww
これはひどいw
ここもしっかり加工する必要がありそうです。
今回はレーシングカーとしてリアシートは切ってしまうので別にいいですけど・・・。
ドア内装がひどすぎるwww
もうちょっとなんとかして欲しかった気もするけど・・・古いキットだししょうがない・・・。
製作・改造
製作テーマ
K11マーチにはN2キットというNISMOオーバーフェンダーキットが存在しました。
一般に市販されていたオーバーフェンダーキットはアンダースポイラーの途中までとなっていましたが、N2キットのオーバーフェンダーは下までしっかり回り込んだデザインになっています。
今回はN2仕様がK11マーチのいちグレードとして市販されていたとして、それがグループAとしてレースに出ていたら?という空想上のレーシングカーを作りたいと思います。
そのため、同じフジミのR32 Gr.A カルソニックスカイラインのキットを購入し、デカールや一部パーツを流用してカルソニックマーチを製作します!
バンパー類接着
各種ボディパーツを調整して接着しました。
特にグリルを可能な限り削り・盛りして調整し、ヘッドライトの丸みに合うように・バンパー取り付けの妨げにならないようにしました。
バンパーとフェンダーのラインはまったく合っていませんが、私はここにオーバーフェンダーを自作してしまうので無視しました。
フロントスポイラーはちょっと左右に張り出しすぎのような気がする・・・こんな形だっけ???
リアバンパーもフェンダーとのラインが合っていません。
リアアンダースポイラーは手でグッと密着させながら、瞬間接着剤で固定しさきほどの隙間がないように接着しました。
接着しろがほとんどないのも、製作難易度をものすごく上げている要因です。
ここをガッチリ接着しておかないと、制作途中にモゲて悲惨なことになります。
今回は、瞬間接着剤を垂らしたところにキムワイプの切れっ端を貼り付けることにしました。
キムワイプに瞬間接着剤が染み込み、FRPのガラスクロスのような補強効果を得られます。
シャーシとボディがズレてるんですが・・・w
接合するダボを一度切り取って、ズラした位置に接着しなおして対処しました。
そうすると内装のほうもズレてしまいますが、内装のほうもちょうどよくなったみたいです。
R32 Gr.Aのタイヤは付くのか?
タイヤの外形
- K11マーチ純正 547mm
- R32GT-R純正 631mm
- R32 Gr.A 700mm
うーん、とんでもなくタイヤサイズが違うw
現実だったら絶対に入らないサイズですし、こんな大きな外径のタイヤを装着したらまともに加速しないでしょうw
が、迫力は満点のはずです。
ところでキットに付属のK11純正タイヤですが・・・外径が小さすぎる気がします。
いくらなんでもスカスカすぎる気がするんですよねえ。
昔のプラモデルはタイヤの大きさの種類があまり作れなかったらしく、ボディはしっかり再現していてもタイヤサイズがぜんぜん違うというのはよくあることだったみたいでです。
タイヤが収まるようにシャーシを改造
先ほどの状態では車高が高すぎるのですが、ノーマルのインナーフェンダーでは干渉してそれ以上下げることができませんでした。
そこでシャーシ側のインナーフェンダーを丸ごとカットして、曲げたプラバンを接着し製作し直しました。
そしてあてがってみると、バッチリ車高が下がりました。
Gr.Aならこのくらいの車高が妥当ではないでしょうか?
オーバーフェンダーの製作
まずはタイヤが外に出るように、ボディ側を思いっきりカットしました。
かなり雑なやり方ですが、もっとちゃんとしたテンプレートなり、フェンダーの形をしたアテ木なりを造って正確にやるべきでした。
ここで雑に切ったことであとの作業がちょっとめんどうでした。
フェンダーアーチに沿って、出したい幅だけプラバンを貼り付け、ガイドにします。
そこへエポキシパテを盛り付けて大体の形を出します。
スパチュラなどでだいたいの形を整えたあと、手でギュッギュッと押して形を出していきます。
エポキシパテは硬化するとかなり硬くなるので削りにくいですが、粘土のような使い心地はこういう作業にもってこいですね。
硬化したら、光硬化パテを盛ったり削ったりしながらさらに形を整えていきます。
光硬化パテは百均のネイルコーナーにあるUVライトですぐに硬化するため、仕事が終わったあとの少ない時間でも作業が捗るのが良いですね。
何度もサフを吹いて、削って、少しずつ形を出していきます。
シャーシにタイヤを固定する
オーバーフェンダーの形がほぼ完成したら、仕上げの表面処理は後回しにしてシャーシや内装を調整していきます。
シャーシの下側は再現しないため、R32 Gr.Aのキット付属の足回りを切り取って、ちょうどいい位置に接着します。
目見当で接着しなければならなかったので、何度もくっつけたり剥がしたりして微調整しました。
ちなみにフロントのサスペンションも完全に接着したので、タイヤは左右に曲がらない状態にしました。
ただ、そもそもタイヤが大きすぎてタイヤが曲がる余地がまったくないので、関係ないですw
実車でこんなクリアランスだとまったく走れませんが、プラモデルなので迫力重視ということでいいでしょう😆
ロールケージを自作
EFシビックのGr.A車両を参考にロールケージを自作しました。
R32 Gr.Aのキット付属のロールケージを加工しようかと思いましたが、プラ棒で最初から作ったほうが早いことに気づきました。
昔のレーシングカーなのでピラーとガゼット溶接したりしてないので、ただ棒をつけるだけで良いのが楽でいいですね。
今回はダッシュボード貫通にするため、ロールケージの先端とダッシュボードを金属線で接続することにしました。
給油口
R32 Gr.Aキットに付属の給油口を、ナンバーポケットに埋め込みました。
これはEGシビックGr.A車両を参考にしました。
EFシビックだと給油口は横についていますが、EGシビックはナンバーポケットについているのがカッコいいんですよね。
サイドマフラー
R32 Gr.Aと言えばサイド出しマフラー!!
キット付属のマフラーは使わず、2.5mmのランナーを加工して取り付けました。
下側は完全再現しないため、途中までで切れています。
ディスプレイケースにネジ止め
ディスプレイケースにネジ止めできるようにナットを埋め込み。
エポキシ系接着剤で固定しました。
最初表面を荒らしておくのを忘れたため、あとでパリッと剥がれてしまいました。
ちょっとしたことでも気をつけないといけませんね。
小物を製作
消化器ボタン・エンジンカットレバーを製作(塗装後ですが)
レーシングカーおなじみのアンテナを製作。
牽引フックを製作。
K11マーチの牽引フックはリップスポイラーの右の穴から出てきますが、ここはレーシングカーっぽくでっかいのを中央から出すことにしました。
その他
ウォッシャーノズルやドアの鍵穴の彫刻は削り取りました。
ないほうがスッキリしてますし、研ぎ出しもしやすいので。
ドアミラーは金属線を通して、あとからしっかり接着できるようにしました。
軸打ちしてあれば、位置決めもバッチリです。
このキットが高難易度の原因のひとつ、ワイパーの取り付け位置は自分で決めて穴を開けろとwww
加工に慣れてる人にはそこまで大したことじゃないですが、何も考えずにどんどん組んでしまうと最後にワイパーつけるときにビックリすることでしょう。
左ハンドル仕様を作れるようにという配慮ではありますが・・・。
内装をレーシングカーに
今回はGr.A車両の再現ということで、規定によりダッシュボードとドアはノーマル車両になります。
キットで再現されていなかったドア内装をそれっぽく再現。
リアシートを削って、プラバンをあれこれ貼って燃料タンクとの隔壁っぽく製作。
助手席はシートを取り付けないため、それっぽくプラバンなどでむき出しの床っぽい雰囲気に。
助手席足元にEFシビックGr.A車両を参考に、コンピュータらしきものを製作。
R32 Gr.Aのキットから消化器らしきものとコンピュータらしきものを流用。
バケットシートもR32 Gr.Aのキットから流用。
塗装したあと一気にディテールアップしたので写真を取り忘れましたが・・・内装完成です。
配置したパーツに、リード線を接続して油圧・エアジャッキの配管らしきものを再現。
ほとんど見えませんが、足元のコンピューターも配線を接続しています。
R32 Gr.Aのキット付属のバケットシートは、カーボンケブラー調のデカールが付属しているのでめっちゃカッコいいですね。
そこへ、ディテールアップパーツのシートベルトを接着。
スポーツカーやスーパーカーだと窓が小さいので車内はほとんど見えませんが、マーチは大衆車なので窓が大きく内装がよく見えます。
そのため内装の作りがいがありますね!
ボディの最終仕上げ
自作したオーバーフェンダーとボディの境目を特に念入りに最終仕上げをしていきます。
ここが非常に難しく、どこまでキッチリ追い込むかが難しいポイントです・・・。
自作パーツである以上、製品のような美しいフィットは無理ですが、それでも「いかにもあとから作りました」ってのがミエミエなのもがっかりですよね。
ちなみに給油口のモールドは接着剤で埋めました。
塗装
サフ
まずはサフを入れました。
どうしても修正しなければならないような部分はなさそうです。
硬化したらラプロス4000(2000番相当)で表面を慣らします。
青サフ
ボディーカラーの青を塗装する前に、スカイブルーのサーフェイサーを塗装します。
硬化したらラプロス6000(4000番相当)で撫でて表面を慣らします。
ボディーカラー
そしていよいよボディーカラーを塗装しました。
今回はフジミの説明書どおり「Mr.カラー インディブルー」を塗装しました。
カルソニックブルーというと何色が正解か?と多くのモデラーが悩んでいますが、どうやら毎年微妙に色を変えているらしく「コレがカルソニックブルー」というものはないようです。
ぶっちゃけ、最初の頃は適当に塗ってたから色が違うだけじゃないの・・・?って気がしますがw
というわけで今回はインディブルーを塗装しました。
R32 Gr.Aはわりと濃いめのブルーなので、これで正解のような気がします。
R34になるともうちょっと明るい気もしますね。
ボディカラーを吹いたら軽くクリアーを吹いて、デカールをさらに貼りやすくします。
ボディカラーを一時的に保護することもできます。
乾燥機で3日間塗装を硬化させたら、デカール貼りに移ります。
本当なら1週間は乾燥機に入れたいところですが・・・待ち切れないもんです。
塗装は長い時間をかけてすこしずつ収縮していくので、完全に収縮しないうちにデカールを貼るとあとからシワシワになる「シバリング現象」が起きるからです。
ごく小さなデカールならすぐ貼ってもいいんですけどね。
デカール貼り
R32 Gr.Aキット付属のデカールを貼り込んでいきます。
今回は、模型店でオススメされたチーズフォンデュの機械でぬるま湯にデカールを浸します。
ぬるま湯を使うとほんの数秒でデカールが浮くので非常にテンポよく貼れるのがいいですね。
デカールのノリが落ちやすい可能性もありますが、私はマークセッターを使うのであんまり関係ないです。
うおお~一気にレーシングカーっぽくなってきた!
スカイラインとボディサイズが違いすぎるので、マーチの小さなボディにどうやって貼り込むか悩みました。
さらにオーバーフェンダーのせいでまっすぐ貼れない部分も多いので、ますます難易度アップ。
はみ出したマークセッターでボディがだいぶ汚れてますが・・・よほどシミが段差になっていなければ、クリアー塗装で消えるようです。
あんまりムキになって汚れを拭き取ろうとしたりすると、汚れが広がりすぎたりせっかく貼ったデカールを痛めたりしそうです。
デカールを貼ったあとは、乾燥機を使わずに3日以上放置しました。
乾燥機を使うとデカールが急激に乾燥してパリパリになることがあります。
エンブレムとか小さなデカールだけならすぐにクリアー塗装してもいいですが、このくらい大きなデカールは水分が飛ぶまでかなり余裕を持ったほうが良いでしょう。
研ぎ出し
クリアー塗装をして、またしても乾燥機に入れて3日間硬化させます。
今度は乾燥機の電源を入れっぱなしにします。
本当なら乾燥機で1週間は硬化させたいところですが・・・やはり待ち切れないw
クリアー塗装はしっかり厚めに。
ラプロス4000(2000番相当)でデカールの段差消し・・・になんと5時間w
そのあと、ラプロス6000、ラプロス8000で磨きあげていきます。
6000での磨きが甘かったのか、うっすらと4000のキズが残ってしまいました。
やはり難しい。
とは言え、しっかりクリアーを厚く吹けていたようで、デカールが貫通したり下地が出たりすることもなく研ぎきれたのは良かったです。
最後にハセガワのセラミックコンパウンドで磨き上げて、しっかり念入りに洗剤で洗ったら終了です。
窓枠の塗装
軽くマスキングして、窓枠とルーフモールの塗装をしました。
レーシングカーのようにデカールだらけの場合、幅広のマスキングテープをそのまま貼ると剥がすときにデカールごと剥がれることがよくあります。
そのため、テープを裏返しにしたものを張り合わせてデカール部分にはほとんど粘着面がくっつかないようにします。
0.05Mpaなどで吹けばそれほど飛散しないので、完全に覆う必要はないです。
仮に少し塗料がとんでも、しっかり磨き上げたボディなら軽くコンパウンドで撫でればはみ出しても簡単に取れることが多いです。
完成!
最終組立
いよいよ最終組立をしていきます。
といっても、だいたいいつも最後は勢いでどんどん作っていくので写真があんまりないですが・・・w
ここでの注意点は、空気が乾燥しているとボディが静電気を帯びて接着剤が飛散したりする場合があります。
そのため部屋を加湿したり、タミヤのモデリングブラシで静電気を除去したりしながら接着していく必要があります。
ヘッドライトなどは、あらかじめ百均のキッチン用品コーナーにあるアルミテープを貼り付けておきます。
シルバーで塗装するよりも、よりリアルに感じますね!
今回はボンネットピンのエッチングパーツを購入してみました。
R32 Gr.Aのキットにもプラスチックのボンネットピンのパーツが付属していますが、プラスチック成形よりもエッチングパーツのほうがカッコいいですからね!
完成!動画!
完成!写真!
うお~~~ようやく完成した~~~!
15年越しの感動!🤣
タイヤサイズがデカすぎてチョロQみたいになるかと思いきや、思った以上にレーシングカーらしくていい感じ!
サイド管の上にはアルミテープを貼って遮熱板っぽく。
消化器ボタンとキルスイッチを自作したかいがあって、よりディテールアップになっていますね
このキャンバーこそグループAって感じ!
ホイールはR32 Gr.Aキットのメッキのまま、白を塗ってセンターロックに赤を塗りました。
レーシングカーにセンターロックホイールは欠かせませんね。
フォグランプはあえて装着。
NISMO N2マーチではフォグランプ部を開口してメッシュになっていましたが、耐久レースっぽくフォグランプを付けてみました。
グリル内のラジエーターは、R32 Gr.Aキットのインタークーラーを設置。
ブレーキダクト部は開口してもよかったかな~。
実車だとこのブレーキダクト部分の裏はフレームになっているので、実際のリップスポイラーも開口されておらず、向かって左側だけ牽引フックが飛び出す仕様になっています。
まとめ
今回の製作期間は3週間でした!
1ヶ月はかかるかなり重い製作になるかと思いましたが、思ったより短時間で完成できました。
だいぶ慣れてきたんですかね~。
今回製作したカルソニックマーチは、完全に自分の空想上のカーモデルとなりました。
実車ではほぼ不可能なタイヤサイズですしw
最近は塗装済み完成品のフィギュアやカーモデルやロボットが数多く販売されていて、とても量産品とは思えないほど細かく造形されたものも販売されています。
それならわざわざプラモデルを作らなくても買ったほうが早い、なんて私も思っていた時期がありました。
しかし、カルソニックマーチを作ってみて自分の空想を再現できるのはプラモデルならではなんだな、って改めて思いました。
このあと、しばらくはまたストレート製作をいくつかやって、また今回みたいな