今回はフジミのK12マーチと、タミヤのR34カルソニックスカイラインGT-R 1999をミキシングして、K12カルソニックマーチを製作していきます!
まったくサイズの違う2台なので、現実ではかなり無理のある改造ですが、プラモデルならできちゃいます!
ここのところほぼストレート製作が多かったので、久しぶりにゴリゴリに改造したいと思っていたところでした😊
キットレビュー
フジミのK12マーチはかなり古いキットで、今のフジミのキットと比べるとちょっと細かいところに手が届いてない感じがします。
5ドア版しか発売されておらず、3ドアの写真がパッケージのNISMO Sチューンも「写真は3ドアですが中身は5ドアです」と書かれています。
成形色はすべて白で、全塗装しなければ完成しません。
タミヤのR34カルソニックスカイラインGT-R 1999もかなり古いキットで、こちらはある程度は色分けされているものの、穴あけ加工や塗装が前提となっていてちょっと難しいキットです。
タミヤらしく古いわりに精度は高いのですが、精度が高すぎて塗装すると塗料の厚みで組み上がらなかったりするのはさすがタミヤw
改造のコンセプト
2台の比較


ミキシングするために、まずは2台を比較。
当たり前ですがめちゃくちゃにサイズが違いますw
R34 カルソニックスカイラインGT-R 1999とは?
今回の改造のコンセプトの前に、1999年のカルソニックスカイラインについて調べてみました。
タミヤからは2003年モデルのR34カルソニックスカイラインも発売されていて、ボディ形状が大きく違います。
かつてグループAカテゴリーで勝利するために生まれたR32から歴史は始まります。
グループAのレギュレーションは市販車のボディ形状ほぼそのままで、エアロパーツの追加などもできないため、見た目はほぼ市販車なのが良いですね。
このときまだ全日本GT選手権(JGTC)は誕生していませんでした。
グループAカテゴリーが終了し、グループCカテゴリーへと時代が変わり、そしていよいよGT選手権の時代に移ります。
そんなグループAのR32とK11マーチをミキシングした作例はこちら!
さて、1994年についに全日本GT選手権(JGTC)がスタート。
現在のGT500カテゴリに相当するGT1カテゴリが登場します。
市販車のボディ形状は基本として、大幅な空力パーツの装着が許されるようになりました。
あくまでも市販車の車体を基本としているため車高を下げるのにも限界があるため、市エアロを下方向に延長して装着しています。
1994年から1998年にかけて、R32やR33のGT500相当のマシンが活躍していました。
さて、1999年にはR34が登場。
ベース車両は変わったもののボディのレギュレーションは大幅な変更はなく、市販車の車体が基本になっています。
そのためよーく見ると、ボンネットやバンパーの分割ラインも市販車と同じになっています。
こういう形状のレーシングカーだと、一般的にはフェラーリF40みたいにバンパーやボンネットなどが一体になったカウル形状になっています。
エンジンもずっとRB26DETTを搭載しており、2002年にはいよいよV6エンジンのVQ30DETTへスイッチされ、GTは少しずつ市販車の要素をなくしはじめます。
そして2003年、GT選手権のレギュレーションが大きく動きます。
今までと違い、キャビンさえ市販車を残していれば前後をパイプフレーム化できるようになりました。
さらにフロントフェンダーも大きく拡大しても良くなったため、パイプフレーム化と合わせて地を這うような車高にすることが可能になりました。
いよいよプロトタイプレーシングカーへと近づいていきます。
だんだんと市販車の要素がなくなっていく寂しさもありますし、市販車では絶対にマネできないカッコよさもありますね。
なお令和になったSUPER GTでは、ついにキャビンも市販車とは関係がなくなり、エンジンの搭載位置や駆動方式すらも変更できるため、ほぼ市販車とは関係なくなっています。
しかし徹底したレギュレーションのおかげで熱いバトルが繰り広げられています!!👍
K12マーチをどう改造するか


まずベースとなる1999年のカルソニックスカイラインを調べたのは、マーチをどう改造していくかです。
まず地上高はGT-Rに合わせて、そこからフェンダーの切り上げ位置を決めます。
フェンダーアーチはGT-Rと同じようにくり抜かないと、GT-Rのタイヤが収まりません。
車幅は、実車のGT-Rがノーマル比で片側+50mmとなっていて、プラモの1/24スケールでは4.17mmの拡大となっています。
マーチのほうも同じレギュレーションの+50mmくらいになるようにします。
ただ、最終的には+60mm~70mm相当の拡大になってしまいましたが😅
どうせならGT-Rと同じ車幅になるように製作すればシャーシもGT-Rの大部分をそのまま流用できたのですが、ヘンにこだわってしまったため切り詰めや自作が多くなったのはちょっと失敗でした。
内装について、カルソニックスカイラインも車体は市販車のままなので、ダッシュボードも市販車と同じ形状になっています(ただし素材はおそらくカーボン製のハリボテ?)
ドア形状も市販車の名残を感じます。
そのためカルソニックスカイラインの内装をそのまま移植するのではなく、マーチの内装にカルソニックスカイラインのレーシングパーツを移植していく方針にします。
ロールケージはカルソニックスカイラインの組み方を参考に、プラ棒で自作します。
ウイングはそのままカルソニックスカイラインを流用しますが、ステーのみ自作。
車幅をカルソニックスカイラインよりちょっと狭くしてしまったのでウイングがはみ出しますが・・・まあそこは見なかったことに😅
給油口は1999年のカルソニックスカイラインはリアにあるので、そのままマーチのナンバーポケットに移植します。
なお2003年からは左右のリアフェンダーに給油口があります。
まずは外装の改造
まずはカルソニックスカイラインのフェンダーアーチをコピーして同じ形になるようプラバンを曲げ、切り上げたフェンダーに接着。
これがパテ盛りの基礎になるので、車幅もほぼ調整しておきます。
正直不安になるほどデカいフェンダーアーチになってしまいました。
オーバーフェンダーはまだ基礎のままですが、先にバンパーを調整していきます。
カルソニックスカイラインのバンパーを切り取り、マーチの車幅に合わせて幅詰めしました。
アンダーパネルともセットになっているので、合わせてアンダーパネルも幅詰めします。
こういうパズルみたいな組み合わせは一つのパーツだけでなく複数がピッタリくるように調整しないといけないのが大変ですね。
マーチのバンパーも大きく切り取り、カルソニックスカイラインのバンパーをとりあえずあてがってみると、今度は前後に長過ぎることが判明・・・。
なんとかなるだろ!と見切り発車で始めたバンパーの流用はかなり難しいです。
そこでバンパーの端をカットして前に移動し、各部のつながりがよくなるように穴埋め。
バンパーの位置を可能な限り調整したら、いよいよオーバーフェンダーの製作です。
エポキシパテを盛って、指先とスパチュラを使ってカタチを出していきます。
こういうカタチを作っていくには硬化に時間のかかるエポキシパテが便利です。
カルソニックスカイラインからボンネットダクトを切り抜いて、マーチに移植します。
まったくボンネットのラインが違うのでピッタリ合わせるのに苦労しました。
もちろん継ぎ目が見えないようにパテで均さなければなりません。
シャーシのほうは、写真→のフロントは完全に自作、写真←のリアはGT-Rのシャーシを丸ごと移植しました。
こういうツギハギはちょっとしたズレが致命的なので難しいんですよね。
リアはそのままだとタイヤがハミだしてしまうため、ブレーキ側を加工してトレッドを詰めました。
また、別記事で5ドアを3ドアに改造しています。
各部が大まかに完成し、ようやく車の形になりました!
基本的には一つのパーツを完全に仕上げるより、ちょっとずつ組み合わせて全体の完成度を高めていくのが良いと思います。
一つのパーツの作り込みに時間をかけても、他のパーツとの組み合わせが悪ければまた加工などが必要になる場合があるからです。
リアウイングはカルソニックスカイラインをそのまま使いますが、ステーのみ自作しました。
プラバンで自作し、最後に金属線を差し込んで固定するつもりです。
マーチのイメージを取り入れた丸みを帯びた形状のステーを作って、バーチカルウイングにしてみました。
リアウイングの高さは屋根とツライチになるように調整してあります。
その他、給油口やドアミラーなど各部の細かいパーツも移植できるよう作業していきます。
フロントグリルにはエアジャッキの差込口を模した金属線を刺せるように穴あけをしたり。
内装の改造
さて、カルソニックスカイラインのパーツをどう移植して配置するか考えます。
ダッシュボードやドアはマーチのものを使います。
いろいろ配置してみました。
センタートンネルはカルソニックスカイラインから切り取って移植しています。
このセンタートンネルは1999カルソニックスカイラインの特徴的なサイド出しマフラーの出口を兼ねているため、ぜひ移植したいポイントです。
前後重量配分のために、シートを思いっきり後ろに配置してステアリングも延長しているのも再現します。
ちなみにリアシートにはプラバンを貼って燃料タンクの隔壁っぽく表現しました。
ドアについては、アームレストのでっぱりが邪魔でロールケージが通らないので、削り落としてプラバンで塞ぎます。
3ドア化改造をしたため、リアドアのドアハンドルも削り落としておきます。
実際レーシングカーにアームレストやドアポケットはいらないでしょうw




プラ棒でロールケージも製作しました。
まあまあかな?
いちおう2分割できるようにしてあります。
ひとまず改造が完成!




各部の表面処理を8割くらいまで仕上げてひとまず組んでみました!
かっけ~~~!
一箇所改造するたびにサフを吹いてもしょうがないので、ひととおり全体が終わってから様子を見るつもりです。
こうやって内装やウインドウまで組んでみると、また微調整が必要な部分が見つかります。
前後の車高の微妙な違いだたり、ちょっとした歪みだったりが見えてきます。


仮組みしてみたら、横から見たときにフロントのタイヤハウスがガラガラなのがわかりました。
そのためインナーフェンダーを製作しました。
ほとんど見えなくなる部分なので適当で良いですね。
リア側はカルソニックスカイラインをそのまま移植したので必要ありませんでした。
シャーシにナットを固定して、ディスプレイケースとネジ止めできるようにします。
車体中央はフラットボトムのように自作しましたが、実際のレーシングカーでは左右に張り出したサイドスカートのみで中央は市販車のフロアむき出しだったようです。
今回はシャーシの左右を繋いでボディの広がりを防ぐために、一枚もののプラバンで制作しました。
後ろから見ると、カットしたバンパーから駆動系が見えるのが良いですね。
レギュレーションの関係で完全なフラットボトムにできない時代らしく、スカスカなのがまた良いポイントです。
思いっきり見えるので、カルソニックスカイラインの駆動系をそのまま流用したというのもあります!




ひとまずサーフェイサー吹いてみた!
ここで表面処理の甘い部分を再びヤスリガケやパテ盛りをして整えて、再びサフでチェック、、、を何回か行います。
続く!