今回はタミヤの1/24 スバル アルシオーネを製作しました。
友達からの依頼で、かつての愛車を再現してほしいということでした。
かなり古いプラモデルですでに絶版なので、パーツを壊したら代わりはありません!
非常に緊張しますね。
お先に、完成した状態を動画がコチラ
仮組み
パーツチェック
パーツ数は非常に少なく、サスペンションも再現されていません。
簡単でいいですね!


しかしこのキット、ボンネットのダクトの有無が選択式になっているのはいいんですが、ダクト有りにする場合はボンネットを切り欠いて取り付けろと。
しかし実車のボンネットのダクトには継ぎ目はありませんから、穴埋めをしないといけません。
クルマの顔でもあるボンネットですから、非常に繊細な作業が必要そう・・・。
またシャーシ側では、サスペンションはほとんど再現されておらず、タイヤも金属シャフトで連結するだけなので組み立ては簡単ですが、フロントタイヤを曲げることができません。
ホイールは別のプラモデルから
アオシマの1/24 スカイライン 2000GTのプラモデルに、友達がかつて装着していたホイールにかなり似ているものが付属していたので、購入。
キットまるまる買っても、使うのはホイールだけ・・・w
ただ、アオシマのザ・モデルカーシリーズはホイールが2種入っていることが多く、このスカイライン2000GTにもワタナベみたいなホイールが別で入っていたので、クルマとして組み立てることができそうです。


下がアルシオーネのホイールで、上がスカイラインのホイール。
直径は同じなのでタイヤが使えてラッキーでしたが、ホイール内側の固定方法が異なります。
しかし小加工で使用できました。
タイヤはスカイラインのほうがやや外径がおおきくだるまタイヤっぽくなり、アルシオーネ付属のタイヤを使ったほうが扁平率が低くかっこよさそうです。
ホイール加工
スカイラインのプラモデルのホイールは後輪のみワイドという珍しい仕様でしたが、アルシオーネは前後同サイズなので余分なところをカットしました。
全体を仮組みして車高チェック


車高はすでにローダウンされた状態のようです。
アルシオーネはノーマルの車高がとんでもなく高いのですが、さすがにプラモデル化するにあたってこれはまずいと思ったんでしょうか。
友達が乗っていたアルシオーネとほぼ同じ車高なので、このまま組み立てられそうです。
あまり下げすぎると下品になりますからね。
タイヤは左右それぞれ1mmずつくらいひっこんでいたので、ツライチに近くなるようにしました。
社外マフラー製作


友達は社外マフラーをつけていたので再現してみました。
2種類の肉薄プラパイプを組み合わせて、マフラー出口を可能な限り削って薄くして、いかにもプラパイプ感が出ないようにしてみました。
シャーシ下側は再現していないため、途中でぶったぎれています。
フォグランプ再現


このキットはリトラクタブルヘッドライトが開閉するキットでしたが、接着して固定してしまうためヘッドライト用のレンズが余りました。
それを加工して社外品のフォグランプを作ってみました。
フォグランプのボディはプラ版を削ったものです。
ボンネットダクト埋め込み


説明書にあるとおり、ボンネットに穴を開けて付属のダクトを取り付け。
切り取り線のガイドはあるとは言え、必ず隙間はできてしまいます。
そのためちまちまと穴埋め。
ダクトのエッジを削らないようにしつつ穴を埋めないといけないため、なかなか難しかったです。
瞬間接着剤なども使ってみましたが、ここは特に切削性の良いパテなどを使ったほうがよかったかもしれません。
モールド彫り


さすがに古いキットだけあって、とにかくモールドが浅いです!
ほとんど潰れたモールドを復活させるのは非常に難しかったですね。
特に屋根は端が薄いため、彫りすぎると貫通してしまいますし・・・。
私は0.2mmのツールしか持っていないので、ドアノブの非常に細かいところは先端が営利なタガネでホリホリしました。
最後に見たら塗装で埋まることもなく、ちゃんとドアノブの形が残ってよかったです。
また大きなヒケがあったり、モールド流れ不足でプラが欠けていたり、古いキットならではのトラブルはいくつもありましたw
やりがいがありますね~~~。
しかしガッツリ彫り込んだので、スミイレは不要です。
その他仮組み
また、内装やウインドウパーツなどもこの段階で仮に合わせてみて、ボディとちゃんと合わさるか確認しておきました。
テールレンズなんかも完全に塗装してからハマらない!ということも多いので、チェックしておきました。
ボディの塗装
サフ


まずはガイアノーツのグレーサフを一通り吹きます。
ボディ表面に特に大きな問題はなさそうだったので、乾燥機も使いつつ3日以上間を開けました。
なお乾燥機は、ボディ塗装に関しては塗装してすぐに入れないほうが良いかな~って思ってます。
塗装した直後にいきなり温度の高い乾燥機に入れると、塗料が少しちじれるような気がするので、30分は置いてから乾燥機に入れて、そこでようやくスイッチを入れています。
塗料が硬化したら、ラプロスの4000で全体を磨き込みます。
やわらかい水彩画の平筆をつかって、スジボリの中なども徹底的に洗います。
洗うときは食器洗い用のスプレータイプの洗剤を使うことが多いです。
白サフ


次にガイアノーツの白サフを入れました。
白サフはラプロス6000で磨きます。
ボディーカラー
今回はクレオスのムーンストーンパールを使用しました。
ガイアノーツの白サフの上に塗ると希望通りの発色になったので、採用しました。
パールは下地塗装の色に大きく左右されるため、必ず別のプラモなどでテスト塗装したほうが良いです。
ボディーカラーの塗装ではゴミが噛んだときに、15分くらいしかたってないのにヤスリをあててしまって余計に塗装をぐしゃぐしゃにしてしまう失敗をやらかしてしまいました。
私はかなりシンナーを多めにシャバシャバで塗るので、もっとしっかり硬化してからやるべきでした。
失敗したあと、一度硬化させて、失敗した部分をしっかり削って、そこだけピンポイントで塗装して、パールの反射を合わせるために周囲のパネル一枚分だけバーっと塗り、なんとかリカバーできました。
焦りは禁物ですが、塗料の中まで硬化してるかなんてわからないので非常に困ったものですね。
なお今回の失敗は、室内の乾燥もあったようです。
あとから湿度計を見たら40%未満まで乾燥していたようでした。
もっと加湿して60%くらいになるとゴミが付きにくい印象があります。
各レンズ類の塗装(一考の余地有り)




クリアーを吹く前に、しっかりマスキングしてレンズ類を塗装しました。
このキットはテールランプ以外は別パーツじゃないので、このように塗る必要があります。
が、うっかりはみ出してしまいました。
パールははみ出したところにヤスリがけするとパールの調子が変わってそこだけ色が違って見えてしまうため、絶対にやってはいけない失敗でした。
とは言えほとんど目立たない場所なので、ヤスリで少しずつ塗料を落としてなんとかなりました。
こういう部分は、クリアーまで完全に研ぎ終わってから、水性ホビーカラーで筆塗りするのが良いきがしてきました。
水性ホビーカラーをこんもり塗るとレンズっぽく盛り上がりますし。
乾くの時間かかりますが、はみ出してもツルッツルのラッカークリアの上ならわりとなんとかなるものですし。
クリア塗装と、最後の研ぎ出し
クリアはクレオスのスーパークリアUVカット光沢を使用しました。
でも次はガイアノーツのEXクリアーを使ってみたいかな?
クレオスのも研ぎ出しは別に問題ないですが、ガイアノーツのほうがビンがデカいのでw
クリアは最初は砂吹きを10分置きに2~3回くらいやって、
次にエア圧0.1でバーっと全体が濡れるような吹き方で15分置きに3回くらい、
最後にシンナーを多めにシャバシャバにして全体に吹くような感じです。
シンナー多めで吹くのは、多めのシンナーでこれまで重ねてきたクリアーを溶かして平らに慣らしたいな~って気持ちがあるからです。
効果があるかわかりませんが、これやってるプロレベルの人がいますし、実際今回はかなり上手く行ったのでヨシ!


クリアも1週間硬化させました。
左が研ぎ出し前で、右が研ぎ出し後です。
今回はサーフェイサーの段階でしっかり中研ぎして、ボディーカラーもかなりなめらかに塗ることができたため非常にツヤッツヤな塗装ができました。
それでもよ~~~く見るとゆず肌になっているため、研ぎ出しを行いました。
研ぎ出しはラプロスの6000、8000、ハセガワのセラミックコンパウンドの3種で行いました。
ボディがかなり平滑に塗装できたためで、ゆず肌がひどかったり、デカールの段差がある場合はラプロスの4000からスタートしたほうが良いようです。
窓枠などの塗装


クリアーの研ぎ出しも終わったので、窓枠などを塗りました。
非常に丁寧にマスキングしたおかげではみ出しはありませんでした。
はみ出してもツルッツルに仕上げたクリアーの上なら、コンパウンドで少しこすれば簡単に取れるはずですけどね。
なお、マスキングテープを貼ったまま乾燥機に入れるとテープの跡がボディに残った経験があるので、私は必ず15分~30分たってマスキングテープを剥がして、そこでようやく乾燥機に入れるようにしています。
シャーシや内装の製作
ホイールのシャフト交換
タイヤがツライチになるようにしたら付属のシャフトでは長さが足りなくなったため、真鍮棒(中実のもの)を使いました。
シャーシとディスプレイケースの固定


シャーシにナットを接着して、ディスプレイケースに固定できるようにしました。
接着剤は2液性のエポキシ接着剤です。
もちろん内装のバスタブを取り付けて干渉しないことを確認します。
ドアミラー


ドアミラーはあまりに小さいため、1mmのプラ棒をくっつけて持ち手にして作業しました。
それでも細すぎてすぐ取れてしまうので、慎重にやりましたね。
塗装したあと、ハセガワのプラモに付属していたミラーシートが余っているので、それを貼り付けてミラーっぽくしました。
塗装よりも断然いいですね。
なおこのドアミラー、あまりにも接着面積が少ないため、最後に組み立てていたときにポロッと取れてしまいました。
ここはもとのポチを切除して、アルミ線で根本からまるごと置き換えたほうが良かったかもしれません。
そうすればボディ内まで貫通してしっかりくっついたでしょうから。
ホイールの塗装


ホイールはメッキされていましたが、リムのメッキ具合が思ったより良かったので、活かすことにしました。
一般的にメッキには塗装がつかないので剥がしてから塗装するところですが、今回はメッキを剥がさずメッシュ部分にガイアノーツのマルチプライマーを吹き付け、つやあり黒を吹き、そのあとゴールドを吹きました。
クルマのホイールらしい落ち着いたゴールドになった気がします。
内装の塗装と組み立て


今回、デカールは内装とテールランプだけで、ボディにはいっさい貼りませんでした。
友達のアルシオーネは全塗装していて、その際にデカールもエンブレムも除去していたため、プラモデル製作でもエンブレムのモールドを除去したりデカールを貼りませんでした。
内装ではシートの模様にデカールが用意されていましたが、大きいデカールなので非常に難しかったです。
デカールそのものも古くなかなか台紙から剥がれてくれず、いつちぎれるかとヒヤヒヤでした。
これも代わりがありませんから、緊張ですね!
内装全体には半ツヤ、シートはつや消し、ナンバープレートはつや有りで仕上げました。
ウインドウの磨き
今回、最初からプラスチック成形の際の模様?傷?みたいなのがあり、気になっていました。
そこでラプロス6000、8000、タミヤコンパウンド荒・細・仕上げ、ハセガワのセラミックコンパウンドの6種類のツールで磨いて、ようやくまあまあになりました。
クリアパーツ磨きはなかなかうまく行ったという話を聞かないので、本当に難しい作業ですね。
今回も少し磨き傷が残ってしまいましたが、もとの傷よりは断然良いです。
ただ、ここまでコンパウンドを使いまくる必要はなかった気がしました。
ラプロス6000、8000、タミヤコンパウンド細、ハセガワのセラミックコンパウンド、の4種類でいいような気がします。
ワイパー、ルームミラー接着



キット付属のワイパーはウインドウに沿っておらず、まっすぐの形状で取り付けると浮いてしまうという残念なものでした。
そのため石油ファンヒーターの温風口で少しずつあっためて曲げてみました。
なんとかなったみたいですが、いつ折れるかヒヤヒヤしながら作業していましたね。
接着はガイアノーツのUV接着剤です。
ウインドウを接着
今までオープンカーしか作ってこなかったので、このような大きな一体型のウインドウは初めてです。
接着するのりしろが大きいため、接着しやすいです。
ただ、接着剤を近づけたときに窓にくっついて溶かしてしまい、完成間近だというのに磨き直す羽目になりました。
まあウインドウ磨きの経験値が上がったので良いのですが・・・。
接着はガイアノーツのUV接着剤でビタッと瞬間で押さえたあと、セメダインの模型用ハイグレード接着剤も併用しました。
2液性のエポキシ接着剤は黄色く変色するので、こういう見えそうなところには使えません。
完成!
前後
完成した~~~!
タイヤはほどよいツライチ具合ではないでしょうか。
社外マフラーや社外フォグランプなども思ったより馴染んでいてよかったです。
ミラーシートを貼ったドアミラーがキラッと光っていていいですね。
ルームミラーにも貼りましたが、オープンカーじゃないのでほとんどわかりませんw
横
スミイレはしていませんが、くっきりとパネルラインが別パーツのように見えますね。
ガンプラではスミイレするのがあたりまえですが、がっつり深くスジボリすると自然なパネルの継ぎ目に見えます。
ホイールはセンターキャップのほかナットもちょいちょいと筆塗りしてみましたが、思った以上に精密感がアップしていいですね。
近くで見るとはみ出してしまってるんですが・・・😅
リムの光具合とメッシュの渋いゴールドが、友達のアルシオーネの雰囲気をよく再現できたかなと思います。
まとめ
というわけで、約1ヶ月ほどかけてカーモデルを作ってきましたが、またまたいろんな勉強ができました。
まだまだ初心者なので作り込みの甘いところもありますが、1回作るごとにステップアップを実感できるので楽しいですね。
前回の失敗を次は成功に活かすぞ!なんて。
なにしろ最初はこんなんですからね。
最後にシャーシと組み合わせてクルマの形になったときの感動は何回やっても良いものですね~。
ちなみに以前作ったカーモデルの一つをヤフオクに出したら、落札していただくことができました。
頑張ってよかった~~~!
愛車の1/24サイズのプラモがほしいけど、作れないんだよな~って諦めてる人の助けになれば幸いですね。