【#ガンプラ 製作レビュー】SDW HEROES 天下無双大将軍を全塗装!

今回は天下無双大将軍を製作していきます!

本キットは「SDガンダムワールド ヒーローズ 輝羅鋼物語」という作品に登場します。

武者頑駄無などから続く、SDガンダムと鎧武者をかけあわせた異色のシリーズは数十年前から大人気で、年々豪華にカッコいいデザインになっています。

 

今まで似たようなシリーズとしてはナイトガンダムを作ったことがあるだけで、近年の複雑でカッコいいデザインのものは作ったことがありませんでした。

難しそう、というか絶対に難しいことがわかっているだけに、なかなか手を出せずにいました。

 

しかし天下無双大将軍を見た瞬間、そのカッコよさに一目惚れ!!!

これはぜひ挑戦したいと思い、製作を始めました。

 

 

キットレビュー

ランナー

ランナーは非常にシンプルで、組み立てるだけならそれほど時間はかかりません。

ニッパーを必要としないタッチゲート方式で、ゲートが非常に小さいためパーツをちぎるだけでもゲート跡が目立ちにくくなっています。

 

とは言え超低価格が基本のSDガンダム系にしてはランナーは多いほうで、シールも多く付属していることから、定価1,760円と高額な部類に入ります。

昔から大将軍シリーズは豪華で高価格なのは通例のようです。

 

金色のランナーは、おそらくクリアパーツにゴールドを混ぜたもののようで、非常に固くて脆く、簡単に砕ける素材でできています。

合わせ目消しの際も普通の流し込み接着剤だと「むにゅ」となりませんでした。

砕けたり割れやすい素材のように感じるので、取り扱いに注意が必要だと思います。

 

 

今回の製作・レビューについては、変形をしない前提で進めていきます。

素組みして、あまりに繊細で複雑なため変形も考慮すると塗装の厚みや塗り分けの難易度がとんでもなくなるからです・・・。

というか、塗装のハゲが怖くて変形させて遊ぶなんてとんでもありませんw

 

説明書

説明書は片面フルカラーの豪華なもの!

マンガも描かれているのがこのシリーズの嬉しいところでもありますね。

 

しかしガチで作り込もうとすると、この小さい説明書がちょっと難点です。

というのも塗装指示がいっさいないため、超高難易度の塗り分けをどうやって塗り分ければ良いのかわからないからです。

公式ページを見てもバックパックやマント・翼で隠れている部分がどういう色なのかはまったくわかりません。

表に見えている部分の塗り分けから、写真に写っていない部分は想像で補っていくしかありません。

もちろん色指定もないので、何色を塗ると完成見本に近づくのかもまったくわかりませんw

 

肉抜き

肉抜きの必要なパーツは、頭頂部のとさか(?)の裏側にガッツリとあります。

ここはハッキリと見えてしまうパーツなので、埋められれば最高です。

ただしあえて埋めずにつや消し黒で塗装すれば、めだたず誤魔化せる可能性もあります。

他には上腕・太もも・足の裏側にありますが、いずれもほぼ完全に隠れるため埋める必要はほぼありません。

なお前述の通り変形を考慮していませんので、変形時には各所の肉抜きがガッツリ出てしまうかもしれません。

 

今回はトサカの肉抜き穴うめだけして、他のパーツはほぼ見えないので埋めないことにします。

 

合わせ目

合わせ目消しが必要なパーツはこれだけです。

実はSDガンダム系は肉抜きをした一体成型パーツが多く、特に天下無双大将軍のような最新キットは合わせ目の必要なパーツが本当に少ないです。

大砲は3点ともど真ん中でモナカになっていますが、段落ちモールドなども駆使してできるだけ気にならないように設計されています。

ちなみに塗り分けが一番エグいのがこの大砲ですw

 

金色のパーツは非常に硬い素材で、流し込み接着剤ではむにゅっとなりません。

瞬間接着剤などを使用した合わせ目消しテクニックが必要になってきます。

 

仮組み完成

シールを貼らないと、パッケージとかけ離れた姿にわりと絶望しますw

シールを貼るとまあまあ色が入りますが、それでもまったく足りません。

特に翼の裏側などにはシールが用意されていないので、裏から見ると真っ白です。

SDにしては高額キットなので、もうちょっとシールを用意してほしいところです。

 

ただしパーツの形状は非常に素晴らしく、改造の必要性はまったくありません。

強いて言うなら安全のために丸められた先端部分を尖らせたりするくらいです。

モールドも概ねくっきりしているので今回の製作ではモールドの掘り直しはしていません

 

今回、後ハメ加工は一切していません!

それほどまでによく設計されたキットです。

塗り分けについては地獄ですが、全てのパーツをあとから外せるようになっているのはスゴイですね。

変形するキットだから当たり前といえばそうですが、それにしても後ハメ加工をしなくて良いのはスゴイなと思います。

 

後ろが重くて後ろに倒れ気味なのが難点・・・。

マントの後ろがつっかえになりますが、ちょっと短くてのけぞり気味になってしまうんですよね。

股間に3mm穴がありスタンドを接続できるので、ちょっと浮かして飾ったほうがカッコ良いかも。

 

製作・加工

肉抜き穴うめ

トサカの裏側はエポキシパテで埋めました。

スパチュラで大まかに整えて、このあとヤスリなどでさらに調整していきます。

裏側になるうえ、濃いめの色で艶消し塗装をするため、それほど美しく仕上げなくても目立ちません。

なおここには変形に必要な穴があるため、変形したい人はダボ穴を残しておく必要があります。

 

シャープ化

特に目立つ場所についてシャープ化を行いました。

モールドが非常に繊細なため、削り込んでシャープ化するとモールドがなくなってしまったり形状がおかしくなります。

そのため瞬間接着パテを先端に盛り付けて延長してから、削って形を整えました。

瞬間接着パテを盛る前に荒目のヤスリで荒らしておくのを忘れずに。

 

刀も先端をシャープ化しました。

シャープ化はやりすぎるとあとで欠けやすくなったりするので、わずかに丸めておくのがポイントです。

 

押しピン穴埋め

翼には片面に押しピン穴がたくさんあります。

裏側なら見えない・・・と思いきや、2つの翼は同一パーツなので必ずどちらかが表側に来て見えてしまいます。

つや消しトップコートなら見えにくくなりますが、つやあり塗装をするとガッツリ見えてしまいます。

 

そのため、瞬間接着剤で穴埋めします。

ある程度カッターやヤスリで削ったら、マジックで塗ると削り残しが見えてくるので、マジックが消えるまで削り込んだら完了です。

細かいモールドが近いのでかなり慎重な作業が必要です。

 

これで主な加工は終了です。

概ねモールドはくっきりしているので、スジボリの掘り直しはしません。

スミ入れをするなら掘り直すと良いでしょうが、今回のキットはスミ入れするとごちゃごちゃしそうなので、スミ入れもしません。

 

塗装!

必要な塗料について

 

本キットは複数の色で整形されているところを同じ色に塗り直す必要があるので、全てのパーツをグレーで統一してからスタートになります。

 

 

今回はホワイトの下地にシルバーサフを使用することにしました。

隠蔽力が非常に高く、どんな色でも一瞬でシルバーにしてくれます。

シルバーサフはホワイトを塗装するときだけ使用し、今回使った他の色はどれも隠蔽力が高いため別の色の上からそのまま塗装しました。

 

 

白の部分はガイアノーツ EXホワイトを使用しました。

隠蔽力が高いし大瓶なのでリーズナブルです。

 

 

甲冑の一部に使われている赤い部分はあずき色にしました。

信長エピオンが進化して天下無双大将軍になったということで、エピオンっぽいカラーを採用しました。

 

 

Mr.カラー C67 パープル

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同じくエピオン由来の濃いパープルですが、適当な色がなかったためパープルと黒を混色して使用しました。

この濃いパープルは筆塗りが必要な部分があるため、同じく水性ホビーカラーのパープルも購入しました。

 

 

ところどころに使われている宝玉のような部分はGXメタルグリーンを使用しました。

シルバー下地にクリアグリーンを塗装したような質感を一発で出すことができ、隠蔽力が高い最高の塗料です。

GXシリーズは輝きが違います!

 

 

フレームや手、大砲のメカ部分などに使用しました。

従来の黒鉄色よりギラギラ感あるメカっぽさがカッコいいカラーです。

 

 

ゴールド部分はスーパーリッチゴールドを使用しました。

従来のMr.カラーのゴールドよりさらにきらびやかな気がします。

ものすごく塗料が沈殿しやすく、翌日には塊ができている場合があるので、攪拌棒でしっかり混ぜる必要があります。

厳密には黒系と白系の下地色で色味が変わりますが、しっかり吹くとどんな下地色でも均一な色になりやすい塗料です。

 

 

 

翼の先端部分には、シルバー下地にクリアーレッドを吹いて、さらにクリアーコートをしてキャンディー塗装としました。

GXメタルレッドでも似たような雰囲気にはなりますが、特徴的な部分で面積も広いためひと手間かけてキャンディー塗装しました。

 

 

額の飾りとバックパック、肩の前たれにある紋章は、水性ホビーカラーのジャーマングレーを筆塗りし、マジックリンを含ませた綿棒で拭き取りました。

 

塗装の前に

今回は、ゴールドと翼の先端の赤、メタルグリーン部分だけをつやあり、それ以外はすべてつや消しで仕上げたいと思います。

部分的なつやあり仕上げというのは塗り分けがけっこう面倒ですが、仕上がりの美しさは段違いです!

すべてをつや消しにするとゴールドが映えませんし、すべてをつやありにするとオモチャっぽくなってしまいます。

ここ最近のフィギュアなども、よく見るとつやありとつや消しが分けられて塗装されているのもこういった理由です。

 

このあと塗装の順番について解説しますが、すべての塗り分けの基本は「奥まった部分、一段落ちた部分から塗っていく」です。

これはマスキングのしやすさの問題です。

そのため最初にメタルグリーンを塗装すると書いていきますが、最後に塗ったほうが良い部分もあります。

どの色をどの順番に塗ったほうが良いか迷った時は「奥まった部分から」を考慮しましょう!

 

マスキングについて

今回使ったマスキングテープの山・・・。

 

  • 2~3個のパーツをマスキングしたらとりあえず塗る
  • マスキングしたら最低でも次の日には塗ってしまう

 

エアブラシ塗装は塗料を用意して片付けるのが大変です。

なので全てマスキングしてから、一気に塗ったほうが効率が良いですよね。

しかし今回のキットはそういうわけにいきません。

たった一つのパーツのマスキングに2時間かかることもザラです。

そうするとひととおりのパーツをマスキングしおわるころには、最初のパーツのマスキングテープが浮いてきてしまいます・・・。

そうならないために、2~3個のパーツをマスキングしたらひとまず塗っていくのが良いです。

塗料やシンナーの無駄がかなり出ますが・・・やむを得ません。

基本的には、胴体・頭・手・足みたいに部位ごとに完成させていくと良いと思います。

 

 

マスキングは通常の18mm幅のマスキングテープと、2mmマスキングテープ、曲専用マスキングテープを使用しました。

2mmマスキングテープを塗り分けの形に合わせてちまちまと貼っていくのが良い場合と、18mm幅のマスキングテープをがばっと貼って、形に合わせてナイフで切っていくのが良い場合と、場所ごとに使い分けます。

どこがどう・・・というのは難しいのですが・・・。

 

 

一番手っ取り早いのは、18mmを貼って切り抜いていく方法だと思います。

ナイフを入れるとつい余計な部分にナイフが入ってしまうこともありますが・・・塗装してしまうと案外気にならない場合もあります。

 

塗装

グレーサフを吹いたら、メタルグリーンに当たる部分をひととおり塗装します。

ここでははみ出すように塗ってOKです。

クリアグリーンはつやありのまま残したいので、ここをマスキングしたら最後の最後までマスキングを貼ったままにします。

最悪マスキングが剥がれて塗装漏れしたら、ピンポイントでマスキングして再塗装しましょう。

私の場合は運良く塗装漏れなく最後まで保ってくれました。

 

 

グリーンの部分をマスキングして、濃いパープル、あずき色を同じくはみ出すように塗っていきます。

なぜはみ出すように塗るのかというと、このあと隣に塗る色との境目に塗り残しが出ないようにするためです。

基本的に、各色を塗装したら一度つや消しトップコートを塗装します。

ゴールド・翼のクリアレッド・メタルグリーンのみつやありにしますから、つや消しにしたい塗装はその都度つや消しを塗装しておいたほうがあとあとラクです。

 

 

次にホワイトを塗っていきますが、ここからが特にマスキング地獄です。

非常に細いマスキングをしていきますから、あまり日を空けるとマスキングが剥がれてくるので、最低でも1日以内にホワイトを塗ってつや消しトップコートを塗装しましょう。

 

 

ホワイトを塗装したら、いよいよゴールドを塗装します。

メタリック塗装は漏れやすいので注意が必要です。

なお本来濃いパープルを塗るべきところがありますが、どう考えてもマスキングが不可能なほど細かったので、あとから水性ホビーカラーで筆塗りすることにしました。

特に一段落ちた部分は拭き取りやすいので、筆塗りでざっくり塗って拭き取る方法のほうがカンタンな場合があります。

マスキングを剥がす前につやありトップコートを塗装してつやあり仕上げにします。

 

 

ゴールド・つやありトップコートが十分に硬化(夏場で1時間以上)したら、水性ホビーカラーの筆塗りをしていきます。

紋章は水性ホビーカラーのジャーマングレーで塗りつぶしたあと、マジックリンを含ませた綿棒で拭き取るとこのように浮き上がってきます。

私は塗ったらわりとすぐ拭き取ってしまいます。

綿棒で拭き取るときは本当にうっすら撫でるようにし、強く押し付けるとマジックリンが染み出して塗装を剥がしたくない部分まで溶けてしまうので注意です。

ただしラッカー塗装した部分は溶けないので、拭き取りすぎてしまったらまた塗り直せばOKです。

 

 

ここまでがおおまかな手順となります。

マスキングが本当に地獄です。

ただ試行錯誤してマスキングして、塗装して、剥がした時にうまくいったときの感動はほかでは味わえないものがありますね。

 

マスキングではルーペが大活躍!

あまりに細かいマスキングですが、今回からこのルーペを使用したらめっちゃ細かい作業がやりやすくなりました!

しかもめっちゃ安い😆

ハズキルーペも含めてルーペ系は手元はよく見える反面、50cmより先は視力0.01くらいのレベルでぼやけてしまいます。

しかしこのヘッドルーペならレンズを跳ね上げられるので、道具をとったりPCモニターの資料を見たりするときも問題ありません。

私はメガネをかけていますが、メガネとの干渉もまったくなく快適です。

 

 

メガネをかけていない方は、このタイプの跳ね上げメガネルーペも良さそうです。

 

ハズキルーペは高品質ですが、離れたところを見たい時はいちいちメガネを外さないといけないのが難点です。

 

ちなみに百均にルーペメガネが売っているので、お試しに使ってみるのも良いです。

私も百均のルーペを使って便利そうだったので、オーム電機のヘッドルーペを購入することにしました。

 

塗り分け例

塗装指示・・・は、ない😭

カーモデルとかだと説明書に塗装指示が細かく乗っているんですが、今回のキットは塗り分け指示どころかどんな塗料を使うかすら書かれていませんw

しかもこの説明書けっこう小さいので、ルーペでじっくり見ないといけないんですよねえ。

 

頭部

後頭部の塗り分けもなかなか大変なんですが、バックパックの襟でほとんど見えなくなるんですよね・・・w

 

胴体

胴体は接続ダボが多いので、ダボをマスキングしておかないとあとでハマらなくなるので注意です。

フレームはメタルブラックです。

 

脚はメタルグリーンの部分のモールドがハッキリしていないので、塗り分けラインを作るのがちょっと難しいです。

ここだけは最初にスジボリを足しておいても良いかもしれません。

ヒザ下はいかにも塗り分けそうなデザインですが、説明書の作例では塗られていないので白一色です。

 

肩パーツは点数も多く、色数も多い、モールドも複雑とかなり高難易度の部分になっています。

特に肩の前たれはかなり浅いモールドなので難しいです。

前たれは18mmマステをバッと貼って、ピンセットでしっかり模様をなぞって、ナイフで慎重に切っていきました。

ここまでで本体は完成します。

 

本体

せっかく塗り分けた後頭部やリアスカートですが、このあと取り付けるバックパックがデカすぎてまっっったく見えなくなります🤣

めっちゃカッコいいんだけどなあw

もったいないw

とは言え大将軍は巨大な二門の大砲などの背負いモノが大事ですからね。

 

バックパック

バックパックの塗り分けはこんな感じです。

ここは後ろからよく見える部分になります。

翼の端はシルバー下地のクリアーレッド、つやありクリアーで仕上げています。

 

大砲・剣

ここも非常に難しいポイントでした。

こんなに複雑な形状なのに複雑な塗り分けで、さらにパーツ分割がされていないので・・・。

また説明書でハッキリ見えない部分も多いので、だいぶ想像で補うしかないところです。

 

 

鎬地(しのぎじ)と刃は塗り分けました。

まずつやありブラックを塗装し、鎬地にシルバーサフ、そのあとマスキングしてガイアノーツのプレミアムミラークロームを塗装しました。

 

バックパック全体

バックパックだけ組み合わせるとこんな感じになります。

 

完成!

完成動画!

 

 

 

完成写真!

可動範囲がせめ~~~w

しかもパーツが複雑にからみあってるから、壊すのが怖くてあんまりポーズ取らせられませんw

 

製作期間は2週間でした。

とは言え盆休みに製作開始しましたし、その後の土日も朝から深夜まで根を詰めて作業しましたから・・・普通にやったら1ヶ月コースかも・・・。

 

 

改めて無塗装を見ると・・・よくやったなあと感動🤣