私が普段使っているドールスタンドは、「セレン」さんのスタンドです。
棒が細くて目立ちにくく、サドル部分が曲げられるので微調整が効きやすく、さらにオプションで三脚に取り付ける穴を空けてもらえます。
これを求めてたんだよ!!
というくらい私の用途にマッチしているのですが、唯一難点が。
足下のアクリル板が、小石があったり傾斜地だったりするととたんに不安定になるという問題。
これはセレンさんのスタンドに限らず、板のスタンドではすべて起こる現象です。
板である限りはどうしようもないのです。
また、板状の部分をすべてフォトショップで消さないといけないため、少し面倒に感じることも。
というわけで、自作してみることにしました。
【追記】
この記事のあと、さらに2パターンのドールスタンドを製作してみました。
よろしければご覧ください!
ドールスタンドを自作する
どうせなら、空中に浮かせたい
今回製作するにあたって、コチラの記事を参考にさせていただきました!
この記事を見ているうちに、空中に浮かせたり、片足立ちさせたり、ぶらさがったり・・・普通なら不可能なシチュエーションでも撮れるのでは!?と思うようになりました。
私も記事中に出てくるクレーンゲームみたいなオビツのスタンドを持っているんですが、身体をがっしり抱えるアームのため服装によっては使えないなー、と思いました。
たとえば、フトモモで支えたらどうだろう!?
ひたすら悩みに悩んで、あるとき閃きました。
以下、写真が多くなりますので「続きを読む」をクリックしてお進みください
製作していきます
必要な部品
ヤザワコーポレーションのどっちもクリップのアーム長32cmのタイプです。
いわゆる「台湾スタンド」もこれをベースにされているそうです。
1/4インチー3/8インチのメスメス変換アダプターです。
加工しやすいようにアルミ製であることが条件です。
ステンレス製のS字フックです。
右側は加工済み。
必要な工具
- 電動ドリル
- ドリルの歯のセット
- バイス(万力)
- 各種棒ヤスリ
- 14mmのメガネレンチ(オフセットしてるやつ)
- ウォーターポンププライヤーや大型ペンチ
- タップハンドル
- M10 P1.0のタップ
手持ちのタップを見たらM10のP1.5とP1.25はあったんですが、P1.0はなかったため慌ててamazonで注文しましたw
P1.0のタップはホームセンターになく、普通は使われないようなピッチの狭いネジです。
amazonではタップダイスセットなども売っていますが、たぶんセット売りだとM10 P1.0は入ってないと思います。
1.どっちもクリップを解体
14mmのメガネレンチが必要でした。
というのも薄口ナットのうえ周囲にバネとか邪魔なものが多く、スパナでは入らない、ソケットレンチも手持ちのやつは入らない、ラジペンじゃうまく掴めない、と困ってしまいました。
そこで、首のところがクイッと曲がってる14mmのメガネレンチを使用したらあっさり取れました。
背の低い14mmのソケットを使えば、ソケットレンチも使えます。
接着剤とかはなく、歯付きザガネが効いているだけでした。
解体完了。
どっちもクリップのアームの先端にはM10 P1.0のネジが切られています。
2.1/4-3/8アダプタを加工
1/4-3/8アダプタの3/8側を加工します。
まず9mmのドリルで下穴を空けて、M10 P1.0のタップでねじ切りをします。
できました。
これを両端の分、2つ加工します。
ドリルでの穴開け、タップでのねじ切りの際は適当なオイルを吹き付けながらやるとスムーズです。
タップを立てるときはまずきちんと真っ直ぐになっているか確認しながら回し始めます。
1/2~1回転するごとに1/4回転戻す感じで、ちょっとずつ切っていきます。
少し固くなってきたなーと思ったら、ぐるぐるーと戻してみたり、オイルを足してみたり、まあ適当に!
このくらい太いと別にいいんですが、M3などの細いタップはカンタンに折れてしまうので、より慎重さが必要です。
3.ふともも保持のリングを作る
左が買ってきたときの状態で、右が加工した状態です。
プライヤーやペンチで掴んでもにゅもにゅして、ドールのふとももに対して現物合わせしていきましょう。
先ほど作っておいた1/4-3/8アダプタに穴を開け、S字フックを通し、押しつけながら曲げて固定します。
・・・固定と言っても、やはりステンレス棒は固いためイイカンジに曲げるのに苦労しました(;´Д`)
結局、ビミョーにガタガタする感じになりましたが、ぐるんと回ってしまうとか、けることは絶対にないのでまあいいか!ということで。
透明の熱収縮チューブを被せてライターなどで炙って収縮させます。
ホームセンターに売ってます。
これをやらないと、ドールのふとももが傷だらけに(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァ
4.完成
各アダプターにネジのゆるみ止め接着剤を塗って、ペンチで締め付けたら完成!
こうやって見ると見た目だけはよくできてるな!
ちなみに両端ともに1/4-3/8アダプタなので、長さの違うどっちもクリップのアームに付けかえることができます。
またふとももホールドが使い物にならなかったら、別の方式などに付けかえが可能にできるようにしました。
私の場合、最初に思いついたアイデアはたいてい微妙なので、こうやって付けかえできるようにしておかないと後で困るんですよね~!(;^ω^)
使ってみた
こんな感じになります。
三脚に付けられます。




はい~~~~~!
こんな感じにアリエナイ写真が撮れちゃうわけですね!
フォトショップで消すの前提ですけどねw
本来なら絶対に不可能な、精密ドライバーの上に立つことも可能!
が、実はそう上手くいったわけでもない・・・
製作したふとももリング1カ所だけでは身体を真っ直ぐに保持できないため、ベルクロでも固定しています。
これはしょうがないと思いますし、元からこうするしかないなーと考えていました。
しかしベルクロだけだと滑ってしまって、安定感に欠けます。
こういう形状ならいいんでしょうかね?
作れないことはないんですが、今日のところはやめときます(:.;゚;Д;゚;.:)ハァハァ
もうひとつ、問題があります。
ふとももで支えるということは、上半身を股関節で支えていることになります。
あたらしいf3(エフキューブ)のボディにしたところ、股関節をいくら締め上げてもビミョーに緩く感じるのです。
いままでのMDD3ボディのほうが股関節は硬かった。
この緩い股関節だと、バランスを崩すと一気に股関節から上体が前傾してしまい、最悪はベルクロが外れたり三脚ごと転倒する可能性も・・・。
実際、セッティング中にぐわっ!と上半身が倒れ込んでしまって慌てて支えることも。
転倒はしませんでしたけどね。
となると、オビツのマルチスタンド(大)のクレーン部分を使って胴体をわしづかみにするのが一番間違いがないのか・・・?
悩ましいところですね。
もう少し、いろいろ考えてあれこれやってみないといけないと思います。
まとめ
ドールスタンドの決定版を作りたい!
という意気込みもあったものの、いざ完成してみると微妙に感じることも。
- アームはしっかりしてるが、太いので消すのがめんどう
- ふとももホールドはベストではない
- 普通に立たせるには、すこし仰々しすぎる気もする
- というか、セレンさんのスタンドのほうが手っ取り早い
- 要するに、機動性に欠ける
もちろんいままでできなかったことができるようになったのは素晴らしいです!
従来では考えつかなかったような場所での撮影が可能になってきます。
しかし私の製作したスタンドではセッティングに慎重さが求められ時間がかかるなど、機動性に欠けるという難点があります。
個人的には、風が吹いたくらいではビクともしない保持力をイメージしていただけに、ある意味では失敗です。
以前の構図の記事の中で「普段見慣れていない目線の写真は意外性がある」と書きましたが、普段では絶対にありえない「空中」などの写真はとてつもない可能性を秘めているのは間違いありません。
今慌てて作業せず、しばらく放置していいアイデアが降りてくるのを待ちたいとおもいますw
せっかく作ったので、使ってみました👇
【追記】
さらに、接着剤だけで作れるドールスタンドを自作してみました!
さらに、オビツマルチスタンドを流用して改良してみました!